死亡数と遺言書の検認件数の推移
 死亡数と遺言書の検認件数の推移

 パソコンやスマートフォンを使った遺言作成を可能にする法制審議会の中間試案がまとまった。超高齢社会により「大相続時代」が到来する中、死亡時を見据えた終活ニーズの高まりに歩調を合わせる。簡易化や選択肢拡大で利用促進が期待される一方、常につきまとうのが悪用リスクへの懸念だ。法制審は複数案を示して国民の意見も求め、最適解を模索する。

 ▽負担

 まず所有財産を洗い直し、誰に何を残すか深慮する。パソコンで下書きを作成し、A4の紙に注意深く書き写す。1枚目は途中で間違えて一からやり直し、完成時にはペンを持つ手が痛んだ―。

 遺言の相談を多く扱う兵庫県の男性弁護士。数年前、利用者目線を学ぶ目的もあり自らの分を作...

残り837文字(全文:1137文字)