
実が二つくっついた状態で結実する「双子果」=6月、山形県天童市
山形県が全国生産の7割を占め、収穫量日本一を誇る愛らしい果物、サクランボ。その「サクランボ王国」で栽培が始まってから、今年でちょうど150年を迎えた。
お祝いムードの一方、近年の山形のサクランボ栽培は気候変動との闘いだ。昨年は異例の猛暑で「歴史的な凶作」。今年の収穫量の見込みも平年を下回り厳しい予想となっている。
農家や関係者はこの150年間、必死に試行錯誤を繰り返してきた先達に思いをはせながら、産地日本一を守ろうと知恵を絞るが…。(共同通信=中村茉莉)
▽猛暑や大雨に翻弄され
「日本一の産地であり続けられるよう、関係者の声を聞きながら早急に検討したい」。今年6月、山形県の吉村美栄子知事は、...
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