米テキサス州カー郡マウンテンホームの消防施設に集まったホルヘ・フエンテスさん(手前右)ら
米テキサス州カー郡マウンテンホームの消防施設に集まったホルヘ・フエンテスさん(手前右)ら
米テキサス州カー郡で捜索するメキシコ・ヌエボレオン州「市民保護局」の救助隊員ら(ヌエボレオン州提供)
米テキサス州カー郡で、川を捜索するメキシコの救助関係者(メキシコ・ヌエボレオン州提供)
2011年3月、宮城県で捜索活動をするアンヘル・レイナさん(メキシコ・ヌエボレオン州提供)
米テキサス州カー郡で、洪水の安否不明者を捜すためにドローンを操作するアンヘル・レイナさん
羽交い締めにされながらバリカンで頭髪を刈られるメキシコ・ヌエボレオン州の市民保護局の救助隊員=7月12日、アメリカ・テキサス州カー郡マウンテンホーム(共同)
メキシコ・ヌエボレオン州救助隊の儀式を経た記者の頭部=7月、米テキサス州サンアントニオ
子どもを抱え、メキシコ・シウダアクニャからリオグランデ川を渡ってアメリカ・テキサス州に向かうハイチ人男性=2021年(ゲッティ=共同)

 7月にアメリカ南部テキサス州で発生した大規模洪水では、隣国メキシコから捜索に駆け付けた救助隊員たちがいた。両国の間には、不法移民問題を巡る摩擦がある。隊員の中には、不法移民の摘発を推し進めるアメリカのトランプ大統領への嫌悪感を押し殺しながら「互助に国境はない」との思いで捜索に貢献した人もいた。ある隊員は、日本での経験が力になったと明かす。私が取材を通じて救助隊と親しくなる中、隊員から虎刈りにされた「断髪式」についても報告する。(年齢は取材当時 共同通信ロサンゼルス支局長 井上浩志)

 ▽きっかけは1本の電話

 そもそも、なぜメキシコの救助隊がテキサスに向かったのか。きっかけとなったのは、メキシコ...

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