【2006年】米粉生パスタの開発に着手

「主食用にならない米を使おう」

【2021/04/21】

 新潟ならではの麺料理ができないか-。そんな思いが結実してできた商品がある。小国製麺(胎内市)の「エチゴッティ」。米粉を原料にした生パスタだ。試行錯誤の末に開発されたこの商品は、後に「米粉麺の小国」と呼ばれる社の方向性を決定づけた。大手メーカーとの厳しい競争をかいくぐり、独特の存在感を放っている。(報道部・小林純)

県産米粉入り生パスタの製造風景。仕上がり具合を入念に確認する=胎内市清水
県産米粉入り生パスタの製造風景。仕上がり具合を入念に確認する=胎内市清水
米粉を使った新商品の発表会でPRする齋藤公美=2010年、新潟市中央区
米粉を使った新商品の発表会でPRする齋藤公美=2010年、新潟市中央区
小国製麺が県産米粉を使って開発した「エチゴッティ」。もちっとした食感が特徴だ
小国製麺が県産米粉を使って開発した「エチゴッティ」。もちっとした食感が特徴だ

 「今年もまた減反か」。何気ないつぶやきが始まりだった。新商品の開発を模索していた2006年秋。工場周辺に広がる田園風景を見やり、社長・齋藤与志雄(よしお)(83)は「お米が作られていない田んぼがたくさんあるなあ」と漏らした。

 次女で常務の公美(くみ)(46)...

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