生産が最盛期を迎えている大谷地和紙の工房=三条市大谷地
生産が最盛期を迎えている大谷地和紙の工房=三条市大谷地
生産が最盛期を迎えている大谷地和紙の工房=三条市大谷地

 新潟県三条市下田地区の大谷地(おおやち)集落で、伝統和紙「大谷地和紙」の生産が最盛期を迎えている。雪深い山あいにひっそりとたたずむ工房で4人の職人が、素朴で温かみのある和紙を手作業で仕上げている。

 大谷地和紙は江戸時代に村松藩の御用紙として納められていた。紙質が丈夫なため雨具や傘にも用いられた。昭和に入っても生産されていたが、ビニール製品の普及などによって1960年に途絶えた。

 地元の歴史を後世に残すため、2008年に集落の住民らが保存会を結成。家々に残っていた和紙作りの道具を集め、伝統の技を復活させた。現在は4人の住民が中心となって生産している。下田地区の児童の卒業証書にも使われており、2...

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