イタリアのソンマ・ベスビアーナ遺跡から見つかったかまの遺構(東京大提供)
 イタリアのソンマ・ベスビアーナ遺跡から見つかったかまの遺構(東京大提供)
 イタリア・ローマ、ナポリ、ポンペイ、ベズビオ山、ティレニア海、ソンマ・ベスビアーナ遺跡
 バチカン美術館の彫刻「プリマ・ポルタのアウグストゥス像」(ゲッティ=共同)

 初代皇帝が豪華浴場でおもてなし―。東京大のチームが古代ローマの建物跡から発掘したボイラーの役割をする五つの大型のかまが、異例の発見として考古学界の注目を集めている。建物は絶大な権力を誇った初代ローマ皇帝アウグストゥスが造営した別荘跡の一部とみられ、有力者をもてなす巨大な浴場(テルマエ)を備えた迎賓館だった可能性も指摘されている。

 ▽手がかり

 遺跡はイタリア南部ソンマ・ベスビアーナ市内にあり、79年の噴火で古代都市ポンペイを壊滅させたベズビオ山の北麓に位置する。面積は約3650平方メートルで、2002年に調査開始。19年から地下15メートル付近まで掘り進め、1世紀半ば以前の地層から幅約1・4メ...

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