
経済評論家の岩本沙弓さん
フランスの有名ワイン産地ボルドーには、収穫年の翌春、発酵を終えた段階で売買が始まる「プリムール(先物取引)」という独自の制度がある。予約販売に近い。主要な試飲会が2025年4月上旬にボルドーで行われ、その後も個別の試飲機会が続き、世界中のバイヤーや評論家が熟成途上のワインを評価、注文を入れる。実際にワインがボトル詰めされ、消費者の手元に届くのはさらに1~2年後となる。
2024年産は高湿度や霜の影響によりブドウの収穫量が減少、品質にもばらつきが見られたようだ。こうした年は一般に価格が抑えられる傾向にあり、実際、最高級ワインの造り手として知られる「シャトー・ラフィット・ロートシルト」は、202...
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