ソリア・バングラさん=5月、米ワシントン(共同)
 ソリア・バングラさん=5月、米ワシントン(共同)
 米ホワイトハウス周辺=5月、ワシントン(共同)

 トランプ関税を巡る日米交渉を取材するため、5月下旬に米首都ワシントンに出張した。近郊の空港で乗ったタクシーで、男性運転手ソリア・バングラさん(56)と関税談議に花を咲かせた。

 「交渉に来るなんて、日本政府は素晴らしい!」。のっけから予想外の反応だった。どういうことか尋ねると「高すぎる関税は米国民を苦しめる。物価が上がり、貧しい人々は特に生活が大変になる」と顔をしかめた。

 普段取材している霞が関でよく聞く意見を米市民からも耳にし、当を得た気持ちになった。

 外国製品に高関税を課せば、品物が値上がりして市民が憤る。支持者も含む国民の声はトランプ大統領も無視できず、関税政策の軟化につながる。その時こ...

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