虐待経験を実名で発信する大田垣光月さん=3月、千葉市
 虐待経験を実名で発信する大田垣光月さん=3月、千葉市
 施設開設に向けNPO法人のメンバーと打ち合わせする大田垣光月さん(右上)=3月、千葉市
 虐待経験を実名で発信する大田垣光月さん=3月、千葉市
 大田垣光月さんが民間子どもシェルターについて改善が必要だと感じた主な点

 虐待を受けた過去を、実名で発信する女性がいる。千葉市のNPO法人「子どもオアシス光月荘」理事長大田垣光月さん(24)だ。子どもシェルターで保護された際、当事者への配慮が足りないと感じた。「中途半端な介入は、傷を癒やすどころか新しい痛みを与えてしまう。支援は一発勝負だ」と考え、同じ境遇に置かれた少女の居場所づくりにも取り組む。

 父は酒に酔うと暴言を吐いた。小学生の時「捨ててやる」と、体をごみ箱に押し込まれた。高校入学後は連日、明け方まで「どこにも逃げ場はないぞ」と罵倒された。泣き過ぎて過呼吸になるので、ポリ袋を抱えて必死に空気を吸った。

 母は父の暴言を助長することもあったが、優しい人だと信じて...

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