フィンランドとロシアの国境に建てられたフェンス=5月、フィンランド東部ヌイヤマー(共同)
 フィンランドとロシアの国境に建てられたフェンス=5月、フィンランド東部ヌイヤマー(共同)
 国境のフィンランド東部ヌイヤマー側からフェンス越しに見えるロシア領=5月(共同)
 取材に応じるフィンランド南東部国境警備隊のアンティ・ビルタ副隊長=5月、東部ヌイヤマー(共同)
 フィンランドとロシアの国境に建てられたフェンス=5月、フィンランド東部ヌイヤマー(共同)
 フィンランド・フェンスの位置、ヌイヤマー、ヘルシンキ、ロシア

 鳥がさえずるシラカバの林を抜けると、のどかな風景に不釣り合いな有刺鉄線付きフェンスがそびえ立っていた。ロシアと千キロを超える国境を接するフィンランドで、監視強化のため計約200キロの「壁」の建設が進む。「ここは北大西洋条約機構(NATO)の最前線だ」と国境警備隊。両国を陸路で行き来するための検問所も全て閉鎖し、脅威に備える。

 首都ヘルシンキから車で約2時間半。5月下旬、国境警備隊の案内で国境沿いの東部ヌイヤマーを記者が訪れた。高さ約4・5メートルの真新しい金属製フェンスのすぐ先はロシア領。「壁」は国境沿いに断続的に建てられ、2026年末までに完成予定だ。

 ロシアのウクライナ侵攻開始後の22年...

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