
米テキサス州スターベース市に向かう州道脇に設置されたマスク氏の胸像。右ほおあたりの塗装がはがれ、ばんそうこうのようなものが張られていた=5月(共同)
米実業家イーロン・マスク氏(53)が「人類初の火星到達」という野望実現へ布石を打った。5月、自身が率いる宇宙企業スペースXの拠点、南部テキサス州の「スターベース」一帯を市に昇格させた。選ばれた市長は従業員で「事実上のトップはマスク氏」と見る向きが多い。権限拡大を懸念している地元先住民は「植民地化だ」と反発する。
メキシコ国境の街、同州ブラウンズビルの空港から東へ車で約30分。見渡す限りの湿地帯を貫く州道の先に、スペースXの巨大施設が現れた。本社オフィスやロケット製造施設に加え、従業員用の住宅が立ち並ぶ。周辺では新たな住宅やインフラの整備も進んでいた。
「未来を切り開くイーロンが好きだ」。打ち...
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