海底を探査する自律型無人探査機の試作機=2024年2月、静岡県・駿河湾(海洋機構提供)
 海底を探査する自律型無人探査機の試作機=2024年2月、静岡県・駿河湾(海洋機構提供)
 深海へ自律型無人探査機を運ぶランダーの試作機=2024年2月、静岡県・駿河湾(海洋機構提供)
 新たに開発する深海無人探査機のイメージ

 海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)が、世界の海で最も深い約1万1千メートルまで潜れる無人探査機を開発している。広い範囲を自動航行して生物や泥、岩石を採取。生命誕生の場とされる熱水噴出孔や海洋最深部の生態系の調査、巨大地震が発生する海溝の研究に生かす。2027年度にかけて試験を続け、本格運用に入るのが目標だ。

 海洋の最深地点は、太平洋のマリアナ海溝にあるチャレンジャー海淵。米国の有人船「リミッティングファクター」や中国の有人船「奮闘者」が到達したが、探査の範囲は限られていた。日本の無人機「かいこう」も1990年代に生物を採取したものの、その後に事故で失われた。

 現在、日本で最も深く潜れるのは...

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