5月16日、パレスチナ自治区ガザ北部で、イスラエル軍の攻撃後に上がる煙(AP=共同)
 5月16日、パレスチナ自治区ガザ北部で、イスラエル軍の攻撃後に上がる煙(AP=共同)
 テルアビブ大名誉教授ダニエル・バルタル氏
 イスラエル南部のガザ境界近くに配置されたイスラエル軍の戦車=5月26日(AP=共同)
 イスラエルのネタニヤフ首相宅近くで、デモ隊に対し放水する警察=3月20日、エルサレム(ロイター=共同)
 ガザ南部ハンユニスの病院で、栄養失調と診断された3歳の子ども=5月22日(ゲッティ=共同)
 5月14日、パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリヤで、配給を待つパレスチナ人(ロイター=共同)
 イスラエル政府に対する抗議デモに参加した人たち=3月26日、エルサレム(ゲッティ=共同)
 ポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡を訪問するユダヤ人学生ら=2023年4月18日(ゲッティ=共同)

 開戦から1年半以上が経過したパレスチナ自治区ガザの戦闘で、イスラエルでは、予備役の一部が停戦を求める書簡を公開するなど厭戦気分も起き始めている。だが、ネタニヤフ首相が掲げる「(イスラム組織)ハマス壊滅」への支持は根強く、戦闘が終結する兆しは見えない。イスラエルはさらにイランも攻撃、戦線を拡大している。1948年の建国以降、常に周囲と紛争を繰り返すイスラエル。その好戦的な姿勢の背景には、ナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を巡る教育をはじめ、社会に醸成された強固な「被害者意識」や「戦いのエートス(気質)」がある。社会心理学者でテルアビブ大名誉教授ダニエル・バルタル氏はそう指摘す...

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