バチカンのシスティーナ礼拝堂の煙突から上がる白煙=5月(ゲッティ=共同)
 バチカンのシスティーナ礼拝堂の煙突から上がる白煙=5月(ゲッティ=共同)
 サンピエトロ大聖堂の「聖なる扉」を訪れた人たち=5月、バチカン(共同)

 「教皇として入った者は、枢機卿として出る」。ローマ教皇を決める選挙(コンクラーベ)では本命候補が選ばれない、という意味のイタリアの格言だ。5月7、8日の選挙では、この格言の正しさを実感させられた。イタリア人による47年ぶりの「トップ奪還」を期待していたローマ市民からは、米国出身の新教皇誕生にため息が漏れた。

 「イタリア人のパロリン枢機卿が優勢だ」。地元記者の間で下馬評は圧倒的だった。266代(前教皇)までに至る歴代教皇の大半をイタリア人が占めてきたが、1978年以降はその座から遠ざかっている。さすがに今回は本命が選ばれるか―。そんな思いで選挙当日に向け準備を進めた。

 5月8日午後6時過ぎ、バ...

残り384文字(全文:684文字)