アイシンの関連施設で、天井からつるしたケーブルラック(左下)を支えるため、斜めに設置された鉄材=2025年3月、愛知県刈谷市
 アイシンの関連施設で、天井からつるしたケーブルラック(左下)を支えるため、斜めに設置された鉄材=2025年3月、愛知県刈谷市
 中部空港の倉庫に備蓄されている飲料水を入れた箱=愛知県常滑市

 南海トラフ巨大地震の発生確率が高まる中、大きな被害が想定される東海地方に本社を構えるトヨタ自動車や系列の部品メーカーが、過去に経験した大地震の教訓を生かして対策を講じている。中部電力は第4管区海上保安本部(名古屋)と連携して停電からの速やかな復旧を目指すなど、東海のインフラ企業も経済活動や住民の生活を支える構えだ。

 政府が2025年3月に公表した南海トラフ巨大地震の被害想定では、生産・サービス低下に起因する経済的な被害は、最大で計45兆4千億円と試算。特に製造業の損失は大きい。

 トヨタ自動車は2011年の東日本大震災で一部の部品が調達できず生産が長期間停止したことを受け、直接取引のない2次以...

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