
ダガー賞の翻訳部門に選ばれ、スピーチする王谷晶さん=2025年7月3日、ロンドン(共同)
優れた推理小説、犯罪小説に贈られる英国推理作家協会賞の翻訳部門に王谷晶(おうたに・あきら)さんの小説「ババヤガの夜」英訳版「The Night of Baba Yaga」(サム・ベットさん訳)が選ばれた。「ダガー賞」として親しまれるこの賞にはこれまで、横山秀夫さんや伊坂幸太郎さんら人気作家がノミネートされたが受賞には至らなかった。日本の作家としては初の快挙だ。北野武監督作を想起させるような激しい暴力描写と、根底に流れる女性同士の連帯「シスターフッド」が高く評価された形だ。(共同通信・森原龍介、平川翔、山口晶子、米田亮太)
▽フィクションで描く女性の暴力
「ババヤガの夜」の主人公は、暴力を振る...
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