
CO2を吸着する液体「アミン」
宇宙で人が暮らすのに必須なのが、呼吸とともに居住空間にたまる二酸化炭素(CO2)の除去装置だ。命綱とも言えるこの装置を今、日本が初めて自前で開発している。2025年度中に国際宇宙ステーション(ISS)に運び、性能試験を実施する。米主導の月探査「アルテミス計画」で月の上空に建設する周回基地や、月面探査車で活用できる可能性がある。
ISSで現在CO2の除去を担っているのは、米国とロシア製の「環境制御・生命維持装置」だ。空気をファンで吸い込み、吸着材を通してCO2を捕集、濃度を下げて循環させる仕組み。CO2は吸着材を加熱して分離し、宇宙空間に捨てている。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙技...
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