スカパーJSATが米企業と打ち上げ予定の観測衛星のイメージ(Planet Labs PBC提供)
 スカパーJSATが米企業と打ち上げ予定の観測衛星のイメージ(Planet Labs PBC提供)
 人工衛星の周波数調整の仕組み

 地球観測や通信に使う人工衛星が激増し、地上と交信するための周波数が混雑の度を増している。新たに衛星を打ち上げたい事業者は、電波が干渉する恐れのある衛星を持つ相手と交渉し、周波数や軌道をずらすなどの対処をする。だが手続きを管轄する国際機関は業務過多で処理が遅延、予定通りに衛星を送り出せない懸念が強まっている。

 国連宇宙部によると、2024年に打ち上げられた人工衛星などの人工物は2849機で、10年前の10倍以上と急増した。米スペースXの衛星インターネットサービス「スターリンク」のように数千機の衛星を連携させる「コンステレーション」の登場や、衛星を開発できる国・企業の参入拡大が背景にある。

 衛星...

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