アメリカ・ワシントン州ポイントロバーツの店舗前にあるアメリカ国旗とカナダ国旗を組み合わせた旗。カナダからの訪問者に友好を示すため店が掲げた=5月(共同)
 アメリカ・ワシントン州ポイントロバーツの店舗前にあるアメリカ国旗とカナダ国旗を組み合わせた旗。カナダからの訪問者に友好を示すため店が掲げた=5月(共同)
 アヒル形玩具の博物館で取材に応じるニール・キングさん(右)と妻のクリスタルさん(中央)=5月、米ワシントン州ポイントロバーツ(共同)
 アメリカ・ホワイトハウスでカナダのカーニー首相(左)と会談するトランプ大統領。トランプ氏は、カナダを併合したいとの考えを改めて表明した=5月(ゲッティ=共同)
 アメリカ・ワシントン州ポイントロバーツの海岸から飛び立とうとするハクトウワシ=5月(共同)
 カナダ・ブリティッシュコロンビア州デルタのスーパーの入り口。カナダ製品の箱で「CANADA」と形作られている=5月(共同)
 アメリカ・ワシントン州ポイントロバーツの住民の車に貼られたシール。「ポイントロバーツはカナダを支持する」と記されている=5月(共同)
 アメリカ・ワシントン州ポイントロバーツの飲食店経営者、タムラ・ハンセンさん。店は営業中だったが、客がほとんどいなかった=5月(共同)

 「国境を越えるわけにはいかない」。カナダ西部のツワッセン半島の先端にある町、ポイントロバーツで土産物店を営む夫婦の元に最近、常連客からこうした声が相次いで届いた。その理由は、この店が「カナダに囲まれた、アメリカの飛び地」にあるためだ。

 ポイントロバーツは、アメリカ・ワシントン州に属する。人口千人余りの小さな集落で、これまでカナダと生活を一体としてきた。だが、トランプ大統領によるカナダの主権を軽視する言動が反発を呼び、町は苦境に立たされた。カナダから越境してポイントロバーツを訪れる人は激減し、廃業した店もある。5月に現地を訪れると、住民は「失った信頼は簡単には取り戻せない」と影響の長期化を懸念...

残り2103文字(全文:2403文字)