
乗用車に積まれた灯油タンク=4月、コンゴ西部マタディ(共同)
4月上旬、取材で訪れたコンゴ(旧ザイール)西部のマタディで車窓を眺めていると、大きな黄色いかたまりが次々に眼前を通り過ぎていった。注意深く見ると、乗用車の上に大量のポリタンクが積まれている。日本なら警察に摘発されるだろうと思いつつ、車高の3倍はありそうな「過積載」の妙技が気になり、運転手に話を聞いてみた。
「先輩の技を盗んで積み方を覚えた。経験のたまものさ」。この道18年というネストル・コンゴさん(52)が胸を張った。タンクは大西洋に面した港から灯油を運ぶためのものだという。都市ガスや電気が広く普及していないアフリカ各国では今も、灯油こんろで調理をする家庭は農村部を中心に一般的だ。
コンゴさ...
残り332文字(全文:632文字)