【シネマ】「スーパーマン」

　映画「スーパーマン」は言わずと知れたヒーローの活躍を描く。「正義は勝つ」ことへの観客の期待が揺らぐほど悪役は強く、大迫力の映像で激しい肉弾戦が展開される。さらにスーパーマンは正義ではないと敵が扇動し、民衆までが敵視。誰かを過度にたたく現代の闇がヒーローを追い込む。

　スーパーマン（デイビッド・コレンスウェット）が瀕死（ひんし）で倒れているところから物語は始まる。ボラビア国による戦争を止めるために向かった先で、天才科学者の宿敵レックス・ルーサー（ニコラス・ホルト）が仕向けた戦士と戦ったことによる傷らしく、その後の対決でも苦戦が続く。

　彼らとの戦いと合わせ、スーパーマンへの世論の批判が描かれる。彼...