ジュネーブの国連欧州本部前で、解雇反対デモに参加する国連職員ら=5月(AP=共同)
 ジュネーブの国連欧州本部前で、解雇反対デモに参加する国連職員ら=5月(AP=共同)
 国連憲章調印80年に合わせて開かれた総会の会合で演説するグテレス事務総長=6月、米ニューヨークの国連本部(国連提供、共同)
 主要国の国連通常予算分担率
 国連改革案のポイント

 10月に創設80年を迎える国連で、事務職員の約2割に当たる2千人規模の削減や組織の統廃合を含む改革の議論が本格化している。国連予算の最大拠出国の米国でトランプ大統領が返り咲き、国連への資金削減を開始。グテレス事務総長は組織のスリム化へ向け改革に打って出たが、国連内や途上国からは戸惑いや反発の声が上がり、先行きは見通せない。

 ▽資金停止

 「米国第一」を掲げ、1月に2期目に就任したトランプ氏は対外援助事業停止や国連関係機関への資金凍結を次々と発表した。危機感を抱いたグテレス氏は3月、改革を検討する特別チーム「UN80イニシアチブ」を設立。前後して国連内では「7千人の首が切られる」「数万人解雇」な...

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