稲の生育状況を確認する神明アグリイノベーションの社員ら=7月9日、埼玉県加須市
 稲の生育状況を確認する神明アグリイノベーションの社員ら=7月9日、埼玉県加須市
 農家から稲の生育状況を学ぶ神明アグリイノベーションの社員ら=7月9日、埼玉県加須市
 コメ流通の仕組み

 コメ卸大手が農家育成に乗り出している。生産者の減少で調達量が減り、事業が続けられない恐れが現実味を帯びてきたためだ。特に昨夏のコメ不足以降、集荷大手のJAグループから十分な量を購入できず、獲得競争が激化。「待っているだけでは集まらない」(卸業界関係者)事態となっている。価格上昇を追い風に今年は38道府県が増産に動いており、生産現場を支援しながら直接調達に活路を見いだす。

 ▽放棄地を開墾

 卸大手の神明(東京)と埼玉県の農業生産法人らが共同出資し、2023年9月に設立した「神明アグリイノベーション」(同県加須市)。7月上旬、男性社員2人が水田で稲の生育状況を確認していた。稲作を志して兵庫県の職員...

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