
開催前からさまざまな問題に直面していた大阪・関西万博。賛否両論!?はあるのかもしれないが、各国の特色などを知ることができるパビリオンは気になっていた。そんな折、新潟県の催事が初夏に相次いだ。運よく派遣を命じられた記者は2人。合間を利用して、パビリオンや催しも取材した。会期は10月13日まで。新潟県からは少し距離がある万博を、夏休みに合わせてちょっとだけ紹介します。(報道部・奥村直之、写真映像部・立川悠平)

パビリオンは約180施設。中でもアメリカやフランス、イタリア、中国に人気が集中する。派手な見せ方が得意そうなアメリカ館は特に見応えがありそうだと予想。急きょ連絡すると、快く受け入れてくれた。

向かうと、長蛇の列が伸びていた。迎えてくれた広報担当者が「日本語の回は次からです。一般来場者の後からどうぞ」と案内。どうやら見学はツアー形式で、アナウンスは日本語と英語があるらしい。

序盤はパネルが並んでいた。海外と人的交流を重ね、人のつながりを原動力に発展してきた歴史を伝えていた。アメリカらしいなと眺めていると、担当者は「『共に創(つく)る』がパビリオンのテーマです」と教えてくれた。

進むにつれて、照明は暗くなる。一方で、展示物はネオンサインのような明かりで輝きを放つ。
後半は、アメリカが主導し、日本も参加する有人着陸を含む月探査「アルテミス計画」について。これまでの経緯のほか、輸送物資の削減に向けた月面での3Dプリンターの活用などを紹介する。


締めくくりは、ロケットに乗ったかのような疑似体験だ。周囲から天井までがスクリーンとなっており、ロケットの発射から宇宙空間に達するまでを映し出す。自然と見上げるため、宇宙に吸い込まれた感覚だ。

出口付近に1970年の大阪万博に続いて月の石が鎮座する。人気を集めるが、担当者は「月の石は、来てくれた感謝を込めただけ。見て、感じてほしいのはアルテミス計画やこれからのこと」と本音を語った。
アメリカは、新潟日報社をはじめ、ローカルメディアの取材を積極的に受けている。担当者は「月探査を支えるものづくりは、新潟を含めた多くの地域にある」とし、地方からの多くの来訪を期待していた。
コナンもオオサンショウウオも関西広域連合

国内からは、関西パビリオンを紹介したい。東口ゲートからほど近く、テントのような見た目の白い建物でよく目立つ。関西方面の自治体でつくる「関西広域連合」が主体となり、滋賀と京都、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、徳島、福井、三重の9府県が出展する。
中に入ると、吹き抜けとなっている空間の中心に、九つの府県の特色を記した柱がそびえる。ここを囲むように各府県のミニパビリオンが並ぶ。福井は恐竜、鳥取は県出身の青山剛昌さんの漫画「名探偵コナン」を前面に出し...