大河ドラマ『豊臣兄弟!』石田三成役の松本怜生、茶々役の井上和(乃木坂46)が「関ケ原スペシャルトーク」に登壇
大河ドラマ『豊臣兄弟!』石田三成役の松本怜生、茶々役の井上和(乃木坂46)が「関ケ原スペシャルトーク」に登壇

 戦国の聖地・関ケ原(岐阜県関ケ原町)で11日、毎年恒例の「大関ケ原祭2025」が開催された。午後には関ケ原ふれあいセンター大ホールで「関ケ原スペシャルトーク」が行われ、来年放送のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』から石田三成役の松本怜生、茶々(淀君)役の井上和(乃木坂46)が登壇。豊臣家の天下を支えた三成と茶々が戦いの地・関ケ原に登場するという歴史ファン垂涎の組み合わせに、会場は大きな拍手に包まれた。

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 司会進行は、関ケ原観光大使を務める歴史タレントの小栗さくらと、同じく観光大使で“お城好き”ラジオDJのクリス・グレン。歴史談義と軽妙なやり取りを交えながら、終始和やかにトークが進んだ。

 最初の話題は「関ケ原を境に東西文化が分かれる」というテーマ。愛媛出身の松本と神奈川出身の井上が、日常の違いを次々と挙げた。

 お餅の形は「松本が丸、井上が四角」。マクドナルドの呼び方は「マクド」(松本)と「マック」(井上)。カレーの肉は「牛」(松本)と「豚」(井上)。さらに松本から「エスカレーターの立ち位置も違う」との指摘が。これに対しクリス・グレンは「関ケ原にはエスカレーターが一基しかなく、どちら側に立つかまだ定まっていない」と語り、会場の笑いを誘った。

 続いて、関ケ原の戦いに関わった戦国武将たちを「アリ」か「ナシ」で判定するコーナーでは、徳川家康、石田三成、福島正則、島津義弘、黒田長政、小早川秀秋、藤堂高虎の名が並んだ。二人とも西軍寄りの判定を見せたが、松本は福島正則に「アリ」の札を掲げ、「三成とは幼なじみ。きっとあの世で詫びていると思う」と役になりきったコメントを披露。会場を沸かせた。

 歴史談義の中では、井上が「なぜ淀君は息子の秀頼を関ケ原に出陣させなかったのか」と問いかけ、松本も「なぜ三成は裏切りを察知できなかったのか」と疑問を投げかけた。さらに「寧々と茶々の確執も戦いに影響したのでは」という話題に及び、井上は「お互いのプライドのぶつかり合いがあったのでは。関ケ原は寧々と茶々の戦いでもあると思います」と女性ならではの視点を語った。

 大河ドラマのオーディションの裏話も披露された。松本は「大河のオーディションは初めてでしたが、役が多くチャンスだと思いました。決まった時はうれしさより驚きが大きかった」と振り返った。井上は「オーディション自体が初めてに近く、茶々のような有名な人物を選考で決めることに驚きました。決まった時は、2023年の大河(『どうする家康』)で北川景子さんが演じた役を私が演じるんだ、という実感と喜びがこみ上げました」と語った。

 茶々の人物像について井上は「一人の女性として複雑で繊細。信念を貫いた人」として見ているという。松本は石田三成について「かつては悪人のイメージでしたが、歴史は勝者が作るもの。領民に慕われた“誠実な人”として演じたい」と意気込んでいた。

 クリス・グレンは関ケ原の魅力について、「関ケ原には何もない。それがいい。400年前と同じ風景を感じられる場所」とアピールすると、井上はイベント前に石田三成陣跡・笹尾山を訪れたといい、「東軍と西軍の距離がこんなに近かったのかと実感しました」と感慨を述べた。

 ゆかりの地巡りについて、井上は「北ノ庄城跡(福井県福井市)を訪れ、茶々が生きていた場所を感じました。次は大坂城跡をじっくり歩いてみたい。乃木坂の活動で大阪城ホールには行ったことがありますが、今度はお城そのものを見てみたい」と話した。

 松本は「長浜(滋賀県長浜市)や、三献の茶の舞台とされる観音寺(滋賀県米原市)を訪ねました。三成の出身地・長浜市石田町にある墓所では、Xインフルエンサーの“治部”さんに案内してもらいました」と明かしていた。

 イベントの最後には、地元の「関ケ原隊」と観客全員が勝鬨を上げ、『豊臣兄弟!』への期待をさらに高めた。

 「大関ケ原祭2025」は小雨まじりの空模様にもかかわらず、例年を上回る来場者でにぎわった。約80のブースが並ぶ会場では、「自分たちの地域の武将を大河ドラマに!」という署名活動も行われ、『豊臣兄弟!』に続けとばかりに、戦国熱の高まりが感じられた。