日和山浜に設けられた五つの突堤。砂浜の浸食を防いでいる=8月22日、新潟市中央区(本社ヘリから)

 日本海と信濃川、関屋分水路に囲まれた「新潟島」(新潟市中央区)。その昔、新潟島の海岸の砂浜は広大で、市民の憩いの場となっていた。

 新潟島の下町エリアに接する日和山浜の近くで生まれ育ち、現在も住む大黒新一さん(84)は「昔は夏の砂浜を駆けると、波打ち際まで行くのに足の裏がとにかく熱くて痛くなった。砂浜で野球もやったことがある。それほどの広さだった」と懐かしむ。

 しかし、その砂浜は、今はない。新潟島の海岸は国による浸食対策の工事が進む。国土交通省によると、明治時代から昭和末期までに、日和山浜の海岸線は最大350メートル後退した。現在は食い止められているものの、「日本の白砂青松100選」の一つでも...

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