「独学の人」再評価の動き
【2021/12/24】
明治期後半から大正期にかけて、初期の日本美術院や文展(現在の日展)で事実上の最高賞を受賞し、兄越堂、弟国観とともに「尾竹兄弟」として大衆人気も高かった日本画家・尾竹竹坡(おたけちくは)(1878〜1936年)。新潟市の染物屋に生まれ、幼いころから弟国観と市場で自作の絵を売り生活を助けました。富山へ移った兄越堂が売薬版画の下絵師として生活を始めると、14歳でひとり富山へ行き、兄の下で下絵描きをして技術を身に付けました。

尾竹兄弟は地方から少年雑誌の挿絵や博覧会などに出品して、中央でも名をはせていきました。このころ、彼らの才能を認め、将来を期待した富山県選出の衆議院議員が...
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