第48回新潟日報スポーツ賞が決定した。新潟県内の各競技団体から推薦を受け、本年度(2023年12月1日以降)は全国大会などで好成績を挙げた個人10人にスポーツ賞、個人1人に特別賞が贈られる。努力を重ね高みを目指す、受賞者の戦績と横顔を紹介する。

スポーツ賞

◆好敵手に見事雪辱 根岸歩夢さん(長岡大手高)
JOCジュニア五輪夏季水泳大会・男子400メートル個人メドレー優勝 

根岸歩夢さん

 水泳の全国JOCジュニアオリンピック夏季大会・男子400メートル個人メドレー(15〜16歳)で、大会新記録の4分17秒11で優勝を飾った。

 直前に行われた全国高校総体では、この種目で同じ1年生のライバルに0秒21差の僅差で敗れ、優勝を逃した。雪辱を果たしての優勝に「400では誰にも負けない自信がついた」と喜ぶ。

 「世界ジュニアの代表に選ばれるようになりたい」。視線は海外に向いている。

◆後半のキック強化 山田妃夏(ひめか)さん(中越高)
JOCジュニア五輪夏季水泳大会・女子100メートル自由形優勝 

山田妃夏さん

 水泳の全国JOCジュニアオリンピック夏季大会・女子CS100メートル自由形で頂点に立ち、全国高校総体でも2位に入った。

 2023年は全国高校総体で決勝に進めなかった。悔しさから練習に励み、後半50メートルのキックの強化が実を結んだ。

 高校卒業後は、新潟医福大に進学し競技を続ける。3月の日本選手権で好成績を残し、ドイツでの世界大会に選ばれることが現在の目標だ。「しっかり泳いで、結果を残したい」と意気込んでいる。

◆誠実な努力が結実 島袋慶生さん(県協会)
レスリング全日本選抜・男子グレコローマン77キロ級優勝

島袋慶生さん

 レスリングの全日本選抜男子グレコローマン77キロ級を制した。練習環境が十分とはいえない中、ひたむきな努力が実を結んだ。

 沖縄県出身で、日体大卒業後に移住した。特別支援学校で勤務した後に、外部コーチとして高校生を指導。その後、自分の力を磨くという忙しい日々を送ってきた。

 10月の国民スポーツ大会での準優勝後、第一線から退いた。「続けることの大切さを伝えたい」。新潟県で後進の指導を続ける。

◆両親に並び達成感 本名一晟(いっせい)さん(育英大・新潟市出身)
レスリング全日本学生選手権・男子グレコローマン72キロ級優勝

本名一晟さん

 レスリングの全日本学生選手権(インカレ)男子グレコローマン72キロ級で優勝。決勝は得意のリフト技でリードし、相手の猛攻を耐え抜いた。

 両親も大学時代に全国優勝の経験があり、「尊敬する両親に追いつけたことが誇り」と語る。

 父が代表を務める新潟市西蒲区のクラブで中学まで所属し、韮崎工高(山梨)に進学した。現在、育英大3年。パリ五輪金の文田健一郎を目標に練習に励んでいる。

◆力抜き圧巻の記録 中川達斗さん(サトウ食品アルビRC)
陸上日本選手権・男子ハンマー投げ優勝

中川達斗さん

 新潟開催の陸上日本選手権男子ハンマー投げで、初優勝を決めた。県勢を勢いづける活躍を見せ「地元開催の力になれた。自信につながる」と語った。

 体の大きさとパワーが特長だが、以前は力みが空回りしていた。日本選手権では力を抜くことを意識しビッグスローにつなげ、自己ベストを出した。

 兵庫県出身で、福岡を拠点に力を磨く。2025年の東京世界陸上を見据え「少しずつベストを更新することが世界への近道」と話した。...

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