出雲崎町役場

 任期満了に伴う出雲崎町議選(定数10)が20日告示、25日に投開票される。全域が東京電力柏崎刈羽原発から半径5〜30キロ圏の避難準備区域(UPZ)に入っている出雲崎町は、同原発の再稼働問題のほか、産業の担い手不足や少子高齢化など課題が山積している。新潟日報社は14日までに、立候補予定者13人(14日現在)を対象にアンケートを面接で実施した。結果を詳報する。

◆原発再稼働問題、慎重姿勢が浮き彫りに

 東電が同原発を再稼働する方針について、「まだ判断できない」が半数以上の8人、「認めない」は3人、「認める」は1人、「いずれでもない」が1人だった。複合災害時の避難や東電の信頼性に不安が残るとし、再稼働に慎重な姿勢を示す町議選立候補予定者が多かった。

 「まだ判断できない」と答えた8人のうち4人は、「道路寸断が発生した際や大雪時の避難に課題がある」などとし、避難計画の実効性の不足を指摘した。

 同原発でテロ対策不備の事案が相次いだことを問題視し、「電力事情を考えれば(再稼働は)必要だが、安全性、セキュリティー問題が未解決だ」「東京電力の信頼性、エネルギー事情を踏まえると、賛成、反対をいえない」とする意見もあった。国や県に判断を任せるとした人もいた。

 「認めない」とした3人のうち、2人が原発から出る高レベル放射性廃棄物の処分方法について議論が深まっていないことを指摘したほか、1人は「まだ判断できない」を選んだ立候補予定者と同様に避難計画を疑問視した。

 「認める」の1人は、「地元の雇用拡大に貢献する」と回答。「いずれでもない」とした1人は「町に必要なエネルギーを町民が考えるべき」と強調した。

◆最重要課題は「産業活性化」が最多

 出雲崎町は、人口に占める65歳以上の割合が4割を超える中、...

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