中国の習近平指導部は第1次トランプ政権期(2017~21年)の対米関係について、前半期と後半期に大別して捉えていた。貿易を中心とする17~19年の「取引」の時期と、20~21年の「怒り」の時期だという。

 元米高官によると、分水嶺は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が起きた2020年。中国・武漢の研究所が新型ウイルスの流出源ではないかとの疑念が米側で浮上したことが主因となった。

 コロナは同年11月の米大統領選にも影響し、支持者との直接交流を重視するトランプ大統領の再選戦略に影を落としたことなどから非難の応酬が始まり「両国の関係が毒され、意思疎通がうまくいかなくなった」。

 双方は互...

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