世界の課題に対処するための枠組み、先進7カ国(G7)が深刻な機能不全に陥りつつある。自国第一主義を掲げ、国際協調に背を向けるトランプ大統領率いる米国と、日本を含む他の6カ国との亀裂が深まり、修復困難になっているからだ。G7が重視してきた「自由で開かれた」国際秩序の崩壊を防ぐ仕組みを構想することが、6カ国の役目となる。
G7首脳は今回、首脳会議(サミット)の閉幕に先立ち、中東情勢の緊迫化に関連してイスラエルの自衛権を確認し、イランの核保有を認めないとする共同声明を発表した。交戦中の両国に自制を促す内容になると当然思っていたが、イスラエル寄りのトランプ氏に遠慮して、こうした表現に落ち着いたとみら...
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