静岡県立大の小針進教授
 静岡県立大の小針進教授

 韓国の大統領に今月就任した李在明氏が、日本との関係を重視する姿勢をにじませている。李氏は、日韓関係を劇的に改善させた立役者である尹錫悦前大統領の対日政策を批判し、日本は「敵性国」と述べたこともある。そうした姿勢の転換にホッとすると同時に、過去の対日発言から不信感を拭えない人も多い。筆者もその一人だ。

 なぜ、李氏は「変節」したのだろうか。「実用外交」を掲げる李氏は、米中対立やロ朝接近など地政学的リスクが顕在化する国際情勢を考慮したほか、対日関係を軽視する姿勢が、今日の韓国社会ではプラスよりもマイナスになる点も計算したはずである。

 韓国紙・中央日報が今月行った世論調査では、日本に対する印象を「良...

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