
日中関係への思いを語る林伯耀さん=2025年1月、神戸市
「どう殺したか、どれだけの女性に性的暴行をしたか、自慢するように話す元兵士もいた」
怒りを押し殺すように語るのは、神戸市に住む在日中国人2世・林伯耀(りん・はくよう)さん(86)だ。象徴的な戦争犯罪として、南京大虐殺に関わった元日本兵らの証言を集めてきた。
「はやし」と日本風に名乗り、200人近くを訪ねた。行為を悔やむ人もいた一方で、冒頭のように武勇伝として語る人も。林さんはあえて日本人の仲間にインタビューを任せ、撮影に集中した。そうやって、怒鳴りつけたくなる気持ちを必死に抑えた。
活動がテレビで紹介されると「虐殺はなかった」との抗議が殺到し、林さんを悩ませた。生まれ育った日本で、華僑として...
残り2905文字(全文:3205文字)