中京大の來田享子教授
 中京大の來田享子教授

 国際オリンピック委員会(IOC)会長のバトンは、第9代のバッハ氏から24日付で就任した第10代のコベントリー氏に引き継がれた。五輪の歴史には、IOC会長の個性が色濃く反映されてきた。「コベントリー時代」が五輪史にどのような彩りを残すかは、女性であることや若さから切り離して評価されるべきだ。

 新会長が初の女性で、41歳という若さが注目を集める。バッハ氏が院政を敷くとの見方も強い。それこそが、熟年の力強い男性だけがリーダーにふさわしいという感性が残る証しである。

 バッハ氏は五輪史に何を残したのか。12年前、多様な人々の調和と団結をマニフェストに掲げ、会長に選出された。就任から1年で中長期改革「五...

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