
田村秀さん
本格的な夏山シーズンが到来した。登山は熟練度に応じて、低山からアルプス級まで楽しめるスポーツだ。スマートフォンの進化もあって、今では紙の地図や天気図を持たずに3千メートル級の山々に登る人もいると聞く。
2024年は2946件の山岳遭難が発生し3357人が遭難した。過去最多の23年を下回ったものの、この20年の増加は著しい。近年は外国人観光客の事故も目立つ。何らかの対応を考えるべき時期だろう。
▽危険伴う登山
高校時代には山岳部に入り北海道の山を登った。大学以降は、夏の北アルプスを縦走するなど経験を積んだ。それだけに危険が伴うのは分かる。
まず、全ての登山道が明瞭とは限らない。踏み跡を見誤る場...
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