
メディア研究者の村上圭子さん
フジテレビの持ち株会社フジ・メディア・ホールディングスの株主総会が終了した。フジの提案通り、取締役候補全員が選任され、改革・再生の取り組みにも一定の評価が得られたといえよう。
しかし、これでCM出稿を見合わせている約7割のスポンサーが一斉に再開に踏み切るとは思えないし、視聴者がフジに抱いている嫌悪感が簡単に払拭されることもない。信頼の回復には、コンテンツの成長戦略といった攻めの改革だけでなく、人権施策や組織風土改革のようなきめ細かい積み重ねが重要だ。この視点で4点述べたい。
まず「人権施策」である。フジはさまざまな施策を開始しているが、社外に相談・救済窓口を設け、対象を制作会社スタッフ、出演...
残り1061文字(全文:1361文字)