ワインの副産物である澱を手にするとちお農園の奈良場晃大社長=長岡市栃尾本町
ワインの副産物である澱を手にするとちお農園の奈良場晃大社長=長岡市栃尾本町

 長岡市栃尾本町のワイナリー「ワインファームとちお」を運営するとちお農園が、副産物に新たな価値を付ける「アップサイクル」の取り組みを模索中だ。醸造の過程で生じる澱(おり)と呼ばれる沈殿物の活用方法を、食品会社などと探っている。澱を提供し、食品会社は、食品に混ぜ込んで風味を加えるなどした製品を試作している。

 とちお農園は、2001年に白ワイン用のブドウ栽培を開始。長らくワイン製造を市外の醸造所に委託していたが、23年に栃尾地域の中心部に醸造所「ワインファームとちお」を開設し、自社醸造を始めた。栃尾産ブドウにこだわり、商品名に栃尾100%を意味する「T100」を付けている。

 製造するワインは年7000〜8000リットル。果実の皮や種、澱を含めた副産物は年間2トン近く発生するという。

 醸造時に生じた搾りかすは、...

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