乳児の遺骨が入った容器を持つナギサさん=2023年3月
 乳児の遺骨が入った容器を持つナギサさん=2023年3月
 ナギサさんの部屋に置かれた乳児の遺骨=2023年3月
 緊急避妊薬
 「みんなで知ろうSRHR(みんリプ)」の稲葉可奈子共同代表=2024年12月
 経口中絶薬の使用法
 熊本市の慈恵病院の「赤ちゃんポストの窓口」=2024年12月
 東京都墨田区の賛育会病院が設置した「赤ちゃんポスト」の入り口
 「#なんでないのプロジェクト」の福田和子代表
 2023年6月、緊急避妊薬の薬局販売を求め記者会見するピルコンの染矢明日香・共同代表(左)と、「#なんでないのプロジェクト」福田和子代表

 2022年、当時20代前半だったナギサさん(仮名)は自宅で男児を産み落とした。死産だった。同居の母親を含め、周囲の誰にも相談できない。遺体は公園に埋めたが、後に死体遺棄罪で逮捕され、有罪となった。

 望まぬ妊娠をしたものの、家庭や行政に助けを求められず、孤立出産するケースが各地で後を絶たない。赤ちゃんをどうしていいか分からず、乳児を遺棄した女性が、高校生や外国人の技能実習生だったというケースも。精神的に追い詰められ、命の危険を顧みずに産んでも、育てられないため遺棄し、犯罪者にされる。

 一方で、男性側は特定されなければ、罪にも問われないことが多い。なぜこんな不平等が続くのか。調べていくと、「自己...

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