成功したIT起業家から、障害者福祉のNPO代表へ―。そんな転身を遂げたのが、NPO法人アロンアロン代表・那部智史(なべ・さとし)さん(56)だ。

 原点は、知的障害のある息子の存在だった。息子の成長に伴い、障害者が働く事業所の安い工賃、低品質な商品といった現実に直面。仕事に誇りを生み出せない福祉事業所のあり方に、疑問を持つようになった。

 では、どうしたら工賃を上げ、価値あるものを生み出せるようになるのか?就労支援という福祉の枠組みから一般の職場への就職率を上げるには?

 元起業家の那部さんが秘策として打ち出したのは、開店や昇進祝いに欠かせない高級な白い花・胡蝶蘭(コチョウラン)。でもなぜ、胡蝶蘭...

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