栽培アズキ(右)と野生種のヤブツルアズキ(農研機構提供)
 栽培アズキ(右)と野生種のヤブツルアズキ(農研機構提供)
 植物細胞の核、葉緑体のゲノムの遺伝の仕方の違い(イメージ)

 赤飯や和菓子に使われ、和食に欠かせない食材のアズキ。中国で栽培が始まり日本に伝来したとの説が有力だったが、栽培化の起源は縄文時代の日本で、その後中国に伝わったことをゲノム(全遺伝情報)の詳細な解析で明らかにしたと、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)などのチームが発表した。チームは「近年の考古学の調査結果とも合致する。日本起源の作物は少なく、面白い結果だ」と話す。

 ▽大型化の原因

 野生の植物は、人間が栽培に適したものの選抜を繰り返すことにより、形や性質が変化していく。栽培アズキは長さ7ミリほどだが、祖先と考えられている野生種のヤブツルアズキは半分以下の3ミリ程度。栽培化に伴い種子は大き...

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