性別変更申し立てのため京都家裁に向かうみきさん(左、仮名)と妻のチロさん(仮名)=2024年7月、京都市
 性別変更申し立てのため京都家裁に向かうみきさん(左、仮名)と妻のチロさん(仮名)=2024年7月、京都市
 取材に応じるみきさん(左、仮名)と妻のチロさん(仮名)=2024年7月、京都市
 申し立て後に記者会見するみきさん(右、仮名)と妻のチロさん(仮名)=2024年7月、京都市
 性別変更の5要件
 最高裁判所
 同性婚訴訟の札幌地裁判決後、「違憲判決」と書かれた紙を掲げる原告の弁護士と支援者ら=2021年3月、札幌市
 取材に応じる明治大の渡辺泰彦教授=2025年3月

 京都市に住むみきさん(50代、仮名)は、仕事関係で知り合った妻チロさん(仮名、40代)と付き合う前に、打ち明けていたことがある。

 「時々変身するんです」

 みきさんは、戸籍上は男性。仕事上も男性として生活していたが、ときどきスカートなど「女性らしい」服装で外出した。チロさんは「面白い」と興味を示してくれた。一緒にいることに居心地の良さをともに感じ、交際1年で結婚した。

 それから約10年。みきさんは女性として生活するようになった。夫婦関係は円満だ。しかし、見た目と書類上の性別が違うため、身分証明の際にはカミングアウトをよぎなくされることもある。

 その苦痛や不利益もあり、性同一性障害特例法に基づき...

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