精神障害などがある人たちへの就職支援で「IPS」という手法を取り入れている社会医療法人「清和会」の林輝男理事長=4月、島根県浜田市
 精神障害などがある人たちへの就職支援で「IPS」という手法を取り入れている社会医療法人「清和会」の林輝男理事長=4月、島根県浜田市
 清和会が就職支援活動の拠点にしている建物。精神科病院と同じ敷地内にある=4月、島根県浜田市
 就職支援担当の職員と話す清和会の林輝男理事長(左)=4月、島根県浜田市
 「日本IPSアソシエーション」共同代表の池田真砂子さん=5月、東京都武蔵野市
 国立精神・神経医療研究センター室長の山口創生さん=5月、東京都小平市

 働いていない精神障害や発達障害のある人が就職しようとすると、社会生活のスキルやビジネスマナーなどを身につけるため、まず障害福祉の就労支援サービスを利用するよう勧められることが多い。ただ、そうした施設は集団の中で訓練する形が多いため、なじめなかったり合わなかったりする人もいる。そこで、「訓練してから就職」ではなく、「就職してから訓練」という逆転の発想で支援する「IPS」と呼ばれる手法がある。研究者が「効果がありすぎる」と言うほどだが、現在の国の制度ではなかなか評価されないのだという。いったいどういうことなのか。(共同通信=市川亨)

 ▽精神科病院が就職支援

 日本海に面する山陰の島根県浜田市。人口...

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