
3月11日、宮城県名取市閖上地区で、妹恵美さんへのメッセージが書かれた風船を空に放つ大宮真由美さん(手前中央)
思いを込めた風船が舞い上がり、空に吸い込まれていく。東日本大震災から14年となった3月11日、宮城県名取市閖上地区。大宮真由美さん(48)は、その中の一つをじっと見つめながら、津波で犠牲になった妹とつながっている気がした。
筋肉が徐々に衰える難病「筋ジストロフィー」と闘い強く生きた妹。自身も昨年春、体が突然腫れる難病「遺伝性血管性浮腫」と診断された。
「お姉も負けないから」
支えとなっているのは、妹が口にしていたある言葉だ。(共同通信=大石祐華)
▽泣き叫んだ日
2011年3月11日、大きな揺れを感じ思い浮かべたのが、海沿いの閖上地区に住む妹の菅井恵美さん=当時(31)=だった。同県岩沼市の...
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