NASAの探査機DARTが衝突直前に撮影した小惑星ディモルフォス(NASA、ジョンズ・ホプキンズ大応用物理研究所提供)
 NASAの探査機DARTが衝突直前に撮影した小惑星ディモルフォス(NASA、ジョンズ・ホプキンズ大応用物理研究所提供)
 探査機衝突後の2022年10月8日にハッブル宇宙望遠鏡で撮影した小惑星ディモルフォス。噴出した破片が尾のように伸びている(NASAなど提供・共同)
 小惑星アポフィス(右)を観測する欧州宇宙機関(ESA)の探査機「ラムセス」(中央)の想像図(ESA提供)
 地球接近天体(NEO)の累積発見数

 小惑星や彗星の衝突から地球を守るプラネタリーディフェンス(地球防衛)に各国の宇宙機関が力を入れている。今年2月には「2024 YR4」という小惑星の衝突確率が注目を集めた。その後、重大な脅威ではないことが判明したが、新たに発見される危険な天体に備えようと、観測や探査が計画されている。

 ▽宇宙望遠鏡

 地球防衛の第1段階は地球の近くを通る「地球接近天体(NEO)」をいち早く見つけて追跡することだ。現在軌道が把握されている約3万9千個の天体には100年以内にぶつかるものはないが、NEOはここ数年、年に3千個ほどのペースで見つかっている。大きな被害が想定される直径140メートル以上のものに限っても、...

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