「小学5年生だった1970年、大阪万博に通いました。その公式ガイドブックの奥付を見て、電通という会社があると知ったんです」と話す奥律哉さん=2025年5月、東京都港区の共同通信社
 「小学5年生だった1970年、大阪万博に通いました。その公式ガイドブックの奥付を見て、電通という会社があると知ったんです」と話す奥律哉さん=2025年5月、東京都港区の共同通信社
 地上テレビのデジタル放送が始まり、記念式典で拍手する小泉純一郎首相と放送局首脳ら=2003年12月、東京都千代田区のホテル
 ソフトバンクモバイルが発売した「iPhone 3G」=2008年7月
 テレビはインターネット接続が当たり前になった=2021年8月、東京都千代田区の家電量販店
 総務省の庁舎=2015年10月、東京都千代田区

 「テレビ離れ」が指摘されて久しい。実際のところ、人々はどのようにテレビを見ているのだろうか。広告会社の電通で長年、視聴者の動向を研究してきたメディアビジョンラボ代表の奥律哉(おく・りつや)さん(66)が、メディア接触の地殻変動ともいうべき現象を解説する。(共同通信編集委員・原真)

▽地デジ化で受像機減る

 奥さんによれば、テレビの見方は、大きく三つの要因で変わった。

 一つ目は、地上テレビ放送のデジタル化、いわゆる地デジ化だ。2003年、関東・中京・関西地区でデジタル放送が始まり、2012年までに、東日本大震災の被害が大きかった東北3県を含め、全国でアナログ放送が終了した。奥行きのあるブラウン管の...

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