
インタビューに応じるノンフィクションライターの安田浩一さん=2025年4月、東京都港区の共同通信社(大森裕太撮影)
「外国人が優遇されている」「日本は日本人のものだ」。こうした排他的なデマや言説が、インターネット空間だけでなく、日常生活にもはびこり始めた。日本人にとって居心地のよい物語が語られ、加害の歴史が塗り替えられていく。「歴史修正主義の背景には、人種差別がある」。そう語るのは、ノンフィクションライターの安田浩一さんだ。
著書に、関東大震災の朝鮮人虐殺をテーマにした「地震と虐殺 1923―2024」(中央公論新社)などがある安田さんは、各地でヘイトスピーチ、ヘイトクライムなど、差別の現場を取材している。戦後80年の節目に何を思うか、話を聞いた。(聞き手・共同通信=角南圭祐)
▽100年後の自警団
私は...
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