
ニッセイ基礎研究所の三浦祐介主任研究員
中国国家統計局が発表した2025年4~6月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比で5・2%となった。1~3月期の5・4%から減速したものの、小幅な低下にとどまった。1~6月期は5・3%と、25年通年の政府の成長率目標が「5・0%前後」であることを考えると、現時点では好調を保っている。
今年の経済動向を左右する第1の要因は米中摩擦である。現時点で米国は中国に対して30%の関税を課しており、対米輸出は減少を続けている。他方、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けなど米国以外への輸出が伸びて、輸出全体では前年比増を維持している。
第2の要因である経済対策については、家電やデジタル製品を対象と...
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