中央大研究員の白石広美さん
 中央大研究員の白石広美さん

 今夏、土用の丑の日は7月19日と31日。夏になるとこの日を中心にウナギの話題が新聞やテレビに登場する機会が増える。食文化として根づいたウナギ料理だが、その背景にある資源の状況や国際取引の実態について、私たちはどれほど理解しているだろうか。

 昨年、国内で流通するウナギ製品のDNAを調査した結果、私たちが「うなぎ」として口にしている商品には、ニホンウナギだけでなく、アメリカウナギやヨーロッパウナギも含まれていることが明らかになった。特に輸入品ではアメリカウナギが調査対象の半数以上を占めていた。日本の食卓にのぼるウナギの多くが、実は米大陸産という事実に、驚きを覚える人も少なくないだろう。

 ニホンウ...

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