
元広島原爆資料館長の原田浩さん
広島平和記念資料館(原爆資料館)の元館長原田浩さん(85)は、6歳の時、爆心地から約1.9キロの広島駅で被爆した。熱線で焼けただれ、路上に倒れた人の体を踏んだ足の裏の感触、生きたまま焼かれる人の姿。本当は思い出したくない体験を、核兵器廃絶のため伝えてきた。
被爆50年には館長として、米国で企画された原爆資料の展示に関わった。立ちふさがったのは、原爆投下を正当化する米国世論の「壁」。被爆資料の展示は中止となった。それから30年。米国の原爆観は変わったのか。被爆80年を前に、思いを語ってもらった。(共同通信・玉井晃平)
▽疎開のため広島駅へ
1945年当時は6歳で、広島駅から歩いて10分ほどの段原(...
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