夏の登山シーズンに入った。「梅雨明け10日」は天気が安定し、登山の好機とされる。高山植物が咲くアルプス、近場の低山には涼風を求め、登山客が押し寄せそうだ。

 一方で遭難事故は減らない。警察庁が発表した昨年の全国の山岳遭難概要では、遭難件数は2946件、遭難者3357人、死者・行方不明者300人。ここ3年間は高止まりだ。40歳以上の中高年者が全体の約8割を占め、都市近郊の低山での事例も少なくない。

 都道府県別で特徴が現れた。件数、遭難者数とも日本アルプスを抱える長野県がトップ。件数は2位は北海道だったが、3位に東京都と神奈川県が183件で続いた。遭難者数は神奈川209人、東京204人で3、4位で...

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